ロータリークラブの歴史

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定款・細則の統一と義務化成る

ロータリーの規約、規定は 4 種類あります、『国際ロータリー定款』と、 『国際ロータリー細則』それに『標準ロータリークラブ定款』と『推奨クラブ 細則』であります。

推奨クラブ細則だけは、他の 3 つの規定に背馳するような改正でない限り、 クラブ会員の任意によって改訂することができますが、他の 3 つの規定は、改 正の提案者、それを審議する手順と方法が厳重に規定されております。

この 4 つの定款、細則を世界中の各クラブに採用するように義務づけたのが、 1922 年のロスアンゼルス大会であります。もっともその時のものは現行のもの の原型であって、さきに記しましたように、1921 年エヂンバラ大会において 採択された、31 名の定款、細則研究グループによって起草されたものであります。

定款、細則を統一し義務化する点については、すんなりときまらなかったよ うであります、というのは 1922 年以前に設立されたクラブの中には、必ずし も統一的定款、細則の採用に賛成でないクラブがあったからで、その為に R ・ T理事会は、従来のクラブも統一的定款、細則を採用することが望ましいが義 務としなくともよい、ということで妥協したということであります.これに該 当するいわゆる特権クラブは今日でも幾つか残っているそうであります。

英国およびアイルランドなどが R ・T・ B ・T(Rotary international in Great Britain and Ireland)と称して或る期間独自の運営をしていたの も、その遠因はこの時の事情によるものであるといわれます。

この R ・I ・B ・Tの独自性については、1927 年にも、ロータリーの国際 性団結に緩みを生ずる恐れがある、との理由から問題とされ、その後 1964 年、 1966 年の各国際大会で討議が繰り返えされていましたが、1968 年のメキシコ・ シティ大会において、 R ・T・ B ・Tの独自性はすべて解消されることに決 定したのであります。現在も R ・T・ B ・Tの名称だけは残っていますが、 これは R ・Tの中の唯一の地域的管理機構としての名残りをとどめている訳で あります。

国際ロータリーは、国家単位あるいは地域単位の管理運営に当る組織の出現 は、ロータリーの国際性とその団結に背馳するものであるとの考えをもって、 世界のクラブに対してこの考えを理解するよう要望しています。

ロータリーの研究家によれは、ロータリーの組織、運営と、ロータリーの理 念、哲学に関する基本的な考へ方は、 1923 年のセントルイス大会における社 会奉仕をめぐる討論を経て、 1924 年カナダのトロント大会、 1925 年オハイ オ州のクリーブランド大会など、両三年の間に漸く整えられたということであ ります。

勿論組織も運営の方法も、理念や哲学も一定不変のものではありません。ポー ル・ハリスも述べている通り『この世界は変遷する用意がなければならない』 と、その通りでありまして、現在の国際ロータリーは、当時とは比較にならぬ はど大きな変貌と躍進をなしている訳であります。

振り返りますと、ロータリーは先づ親睦と相互扶助に始まりましたが、程な く公共精神を振興し、地域社会の福祉一般に貞献する姿勢を堅持します。あら ゆるクラブで、またあらゆるロータリアンが、多種多様の行動を起し、或る時 は成功し、また或る時は失敗して、ロータリーの内部から、また外部からも幾 度となく称賛を受け、批判されて、やがてロータリーの社会奉仕の哲学と理念 を確立するに至りました。

職業奉仕についても、 1910 年ボートランド大会における He prof- its most who serves best の提唱を中軸にした職業倫理が異質の文化と伝 統を持つ世界のロータリアンの共感を得るところとなります。

更らに、国際奉仕については、第 1 次、第 2 次の世界大戦を綻験すること によって、ロータリアン達は、国民の間の相互無知と無理酵、その透き間をつ いて行なわれる宣伝と煽動が戦争の素因であること『戦争は人の心の中に起る』 となすユネスコ宣言に共感し国民間の相互理解を説く、ロータリーの国際奉仕 の精神を信奉することになります。

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